3月15日、私立桜蔭中学校(東京都文京区)で、3年生向け講座「経営体験から学ぶ事業活動の難しさと面白さ」を実施いたしました。当日の様子や、生徒様の感想を紹介します。
講座概要
老舗和菓子屋を題材として、グループごとに経営課題に取り組んだうえで、それぞれの経営判断にもとづいた決算書を作成しました。
当日の様子
まず、決算書の種類や損益計算書の項目(売上高や営業利益、当期純利益など)について、弊社執行役員/公認会計士の三好が説明しました。
その後、和菓子屋を題材に、
①原料費が高騰する中、これまで仕入れていた小豆を値上げする会社からの仕入れを継続するか、値段は変わらないが風味はやや落ちる小豆を売る会社からの仕入れに変更するか
②従業員2人のうち1人を解雇したうえで接客ロボットを導入するか、ロボットを導入せず従業員2人を雇い続けるか
③外国人向けマーケティング施策を実施するか
の3つの経営課題について、グループごとに、生じるコストやリスク、得られる利益を計算しながら、議論しました。
各グループは、「小豆の風味が変わったら、店の評判も下がって、他の商品も売れなくなるかもしれない」「接客ロボットなら、様々な言語への対応が可能になる」「従業員を解雇すると、反発もあるだろう」「円安で外国人観光客が増加している今、外国人向けマーケティングは実施すべきだ」など、活発に意見交換しました。
最後には、グループごとの経営判断に基づいて決算書を作り、営業利益を発表しました。
質疑応答の時間も、積極的な質問をいただきました。
「実際の業務で、予算編成の確実性を高めるためには、どのようなことをしていますか」との質問には、三好が「社長だけでなく、多くのメンバーで客観性の高い判断を心がけることが大切です。過去に自社で類似の実績があればそれを、なければ同業他社の実績の数値を参考にして予算を作ります」と答えました。
生徒様の感想
授業後には、以下のような感想をいただきました。
・企業が人件費削減や値上げを行っていた理由がよくわかった。新しいことをするときに、メリット、デメリットを考慮した上で最終決定することもわかった。
・ほかのグループも、自分のグループの意見と同じだろうと思っていたのに、いざ発表してみると、まったく違い、様々な視点から見ることの面白さを学んだ。
・決算書の書き方をもっと詳しく学んでみたいと思った。会社の決算発表も聞いてみたい。
おわりに
弊社の金融教育・起業家教育においては、損益計算や決算書等の用語や手法の学びに限らず、将来の選択の指針となるよう、講座を提供しています。
また、今回のような現場での講座に限らず、オンライン講座も提供しています。さらに、教職員様向けの研修・講座も提供しているため、是非お気軽にお問い合わせください。