三位一体の労働市場改革の指針で、リスキリング支援はどう変わる?

政府は5月16日、三位一体の労働市場改革の指針をとりまとめました。リスキリングの支援やジョブ型雇用の推進、成長分野への労働移動の円滑化などが盛り込まれています。

今回はその中でも、リスキリングの支援について、どのような方向性が打ち出されたのかを取り上げます。

目次

教育訓練給付金や賃金助成などの支援策拡充へ

指針には、教育訓練給付金など、現状のリスキリング支援策の拡充が盛り込まれました。主な内容は以下のとおりです。

・国の在職者への学び直し支援策を、教育訓練給付金のような個人経由での給付が過半になるようにし、在職者のリスキリングの受講者の割合を高める。その際、民間教育会社が実施するトレーニング・コースや、大学が実施する学位授与プログラムなどを含め、Off-JTでの学び直しに、より重点を置く。

・IT、データアナリティクス、プロジェクトマネジメント、技術研究、営業/マーケティング、経営・企画、観光・物流などの講座の教育訓練給付について、補助率や補助上限の拡充を検討する。

・社会人の海外大学院への留学を促進する。オンライン留学の取組みも進める。

・休業よりも教育訓練による雇用調整を選択しやすくするよう、雇用調整助成金の助成率等の見直しを行う。

・専門実践教育訓練のデジタル関係講座数を拡大する。生成AIなど、今後成長が期待される分野に関する講座の充実を図る。

・特定支出控除制度の柔軟化を検討する。

・中小・小規模企業が従業員をリスキリングに送り出す場合、個人の主体的なリスキリングであっても、賃金助成などの支援策の拡充を検討する。

※教育訓練給付金制度、特定支出控除制度については、弊社の執行役員の吉川真布が、日本経済新聞社様のサイト「NIKKEIリスキリング」で制度の詳細や最新動向を解説しています。

【教育訓練給付金とは? 注意点や制度の最新動向を解説】 | NIKKEIリスキリング

【資格や語学の学習で税金還付 会社員が賢く使える「特定支出控除制度」の基礎を解説】 | NIKKEIリスキリング

リスキリングで、失業給付の支給開始時期前倒しへ

政府は、自己都合退職の際に受け取る失業給付に関して、申請時点から遡って、例えば1年以内にリスキリングに取り組んでいた場合などについては、これまで申請から2か月以上かかっていた失業給付の支給開始時期を、1週間程度に短縮する方向で制度設計を進めます。

これによって、退職してから時間に余裕をもった転職活動をしやすくなることが想定されます。

おわりに

弊社では、制度改正等の趣旨や影響を踏まえた上で、お客様のビジネスが効果的・効率的に進められるよう会計・財務・税務アドバイザリーサービスを提供しています。  

また、制度をより適切に理解した上でビジネスが進められるよう研修・講座サービスも提供しているため、支援が必要でしたら、是非お気軽にお問い合わせください。

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